頭金は入れない方が賢い?

ノウハウ・豆知識
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不動産を買うときに、借入を減らすために諸費用とは別で「頭金」を用意する方もいますが、頭金っていくらくらい用意するのが妥当なんでしょうか?

というか、そもそも頭金って必要なんでしょうか?

■頭金とは?必ずしも必要じゃない?

頭金とは、仲介手数料や登記費用といった「諸費用」とは別に用意する現金です。

物件価格=借入額+頭金
です。

不動産会社や銀行から自己資金額を聞かれることがありますが、頭金の額を聞かれている場合と諸費用込みで手元にいくら現金があるのか聞かれている場合とがあるため、認識の違いが生まれないように「諸費用込みで~円です」と答えると良いでしょう。

家を買う=頭金を用意するもの、という認識の方も多いですが、実は出せる頭金があっても出さない、という方も多いのです。

それぞれのメリットとデメリットを解説していきます。

■ケーススタディで比較する

前提条件

物件価格6,000万円、借入金利0.5%(変動しない)、借入期間35年
頭金1,000万円、借入額=6,000万円 or 5,000万円

頭金を入れるメリット

銀行の事務手数料や保証料が安くなる

都市銀行の場合、保証料や事務手数料は借入額の2.2%程度とバカにできません。

仮に頭金を1,000万円入れると22万円削減できる計算になります。

月々の返済額と総支払利息が安くなる

住宅ローンを35年かけて返済する場合、

借入額5,000万円
月々返済額129,792円
総支払利息4,512,928円

借入額6,000万円
月々返済額155,751円
総支払利息5,415,514円

頭金を1,000万円入れることで、月々の返済額は約2.6万円低くなり、支払い利息も902,586円(年間25,788円計算)安くなります。

精神的安心

月々の返済額に無理がなくても、多額の借入をすること自体に不安を覚える方もいます。

そういう方にとって、多少なりとも借入額を少なくする方が精神衛生上よいこともあると思います。

これは損得の問題じゃないですね。

頭金2割以上で金利が安くなる?

融資の条件にもよりますが、物件価格の2割の頭金を入れることで金利優遇が大きくなる場合があります。

必ずではないので銀行と相談が必要ですが、自己資金に余裕がある場合は大めに入れることを検討してもいいかもしれません。

頭金を入れないメリット

イベントリスクに備えられる

手元に現金を置いておくことで、お子様の進学や大きな病気、家の設備の故障などの予期せぬイベントリスクに備えることができる。

借入額が増えることによる不安はありますが、手元の現金を使い切ってしまう不安はもっと大きいと感じる方は多いのではないでしょうか。

万が一のときはどのみち借入ゼロに

住宅ローンを借りる時は多くの場合、団体信用生命保険に加入することになります。

通常の団信であれば借入者が死亡した時や、ガン特約などを入れるとガンと診断された時点で住宅ローンの残債がゼロになるので、団信発動を前提とすると、結果使わなかった頭金1,000万円はまるまる残ることになりますし、逆に頭金で入れた1,000万円は丸々損とも言えてしまいます。

不安ならいつでも繰り上げ返済できる

借入額が大きくて心配なら、いつでも繰り上げ返済ができます。

最近では繰り上げ返済手数料が無料の銀行も多くなってきたので、念のため多く借りておいて、余裕があれば繰り上げ返済するという方が多いです。

使わなかった頭金で資産運用できる

仮に使わなかった1,000万円で利回り1%の投資信託を買って35年間運用した場合、
35年後には1,416万円になっています。

前述の比較で発生していた利息の差約90万円は簡単にペイできてしまいます。

10年超の長期保有をすればほぼ負けないと言われているインデックスファンド「全世界株」などは、期待利回り4%とも5%とも言われているので、そうするともっととんでもない差が出ます

もちろん元本が保証されているわけではないので目減りするリスクもありますが、
資産形成の視点では、ウン千万円もの大金を金利たったの1%未満で借りられる住宅ローンなら借りられるだけ借りたい、という方も多いです。

世界的に見ても日本の住宅ローン金利は異常なほど低いからこそできる資産形成術です。

経営者などは物件価格の2割以上が必須?

一般的に経営者や自営業者などが住宅ローンを借りる場合、頭金を物件価格の2割以上入れることが審査の土俵に上がる前提となる場合が多いです。

もちろん決算書の内容や年収、会社の信用度に左右されますが、逆に経営状況が良好なら貯金もそれなりにありますよね?という考えもあるため、2割以上の現金を用意することを前提に準備した方が無難です。

■まとめ

・頭金は必ずしも必要ではない

・多く借りても団信でチャラになる

・頭金をイベントリスクへの備えや資産形成に利用するという選択肢もある

・経験上は、手元資金は極力使わず「借りられるだけ借りる」という人が多い

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