不動産を買うときに借入を減らすために諸費用とは別で頭金を用意しますが、
頭金っていくらくらい用意するのが妥当なんでしょうか?
というか、そもそも頭金って必要なんでしょうか?
頭金とは?必ずしも必要じゃない?
頭金とは諸費用とは別に用意する現金です。
物件価格=借入額+頭金です。
不動産会社や銀行から自己資金額を聞かれることがありますが、頭金の額を聞かれている場合と諸費用込みでいくら現金があるのか聞かれている場合とがあるため、認識の違いが生まれないように「諸費用込みで~円です」と答えると良いでしょう。
家を買う=頭金を用意するもの、という認識の方も多いですが、実は出せる頭金があっても出さない、という方も多いのです。
それぞれのメリットとデメリットを解説していきます。
ケーススタディで比較する
前提条件
物件価格6,000万円、借入金利0.5%(変動しない)、借入期間35年
頭金1,000万円、借入額=6,000万円 or 5,000万円
頭金を入れるメリット
銀行の事務手数料や保証料が安くなる
都市銀行の場合、保証料や事務手数料は借入額の2.2%程度とバカにできません。
仮に頭金を1,00万円入れると22万円削減できる計算になります。
月々の返済額と総支払利息が安くなる
住宅ローンを35年かけて返済すると仮定すると、
借入額5,000万円の場合
月々返済額129,792円
総支払利息4,512,928円
借入額6,000万円の場合
月々返済額155,751円
総支払利息5,415,514円
支払った利息の差は902,586円(年間25,788円計算)と小さくありません。
精神的安心
月々の返済額に無理がなくても、多額の借入をすること自体に不安を覚える方もいます。
そういう方にとって、多少なりとも借入額を少なくする方が精神衛生上よいこともあると思います。
これは損得の問題じゃないですね。
頭金2割以上で金利が安くなる?
融資の条件にもよりますが、物件価格の2割の頭金を入れることで金利優遇が大きくなる場合があります。
必ずではないので銀行と相談が必要ですが、自己資金に余裕がある場合は大めに入れることを検討してもいいかもしれません。
頭金を入れないメリット
イベントリスクに備えられる
お子様の進学や大きな病気、家の設備の故障などの予期せぬイベントリスクに備えることができる。
借入額が増えることによる不安もありますが、現金を使い切ってしまう不安というのはもっと大きいと感じる方は多いのではないでしょうか。
万が一のときはどのみち借入ゼロに
住宅ローンを借りる時は多くの場合、団体信用生命保険に加入することになります。
通常の団信であれば万が一の時に、ガン特約などを入れるとガンと診断された時点で住宅ローンの残債がゼロになるので、結果使わなかった頭金1,000万円はまるまる残ることになります。
不安ならいつでも繰り上げ返済できる
借入額が大きくて心配なら、いつでも繰り上げ返済ができます。
最近では繰り上げ返済手数料が無料の銀行も多くなってきたので、念のため多く借りておいて、余裕があれば繰り上げ返済するという方が多いです。
使わなかった頭金で投資できる
1,000万円を仮に利回り1%の投資で35年間運用した場合、
35年後には1,416万円になっています。
利息の差約90万円は簡単にペイできてしまいます。
もちろん元本が保証されているわけではないので目減りするリスクもありますが、
不動産投資用の借入は通常金利2,3%程度になることから、資産形成の視点では1,000万円をたったの金利0.5%で借りられるならいくらでも借りたい、ということも言えるかもしれません。
世界的にも異常な、超低金利時代だからこそのワザです。
経営者などは物件価格の2割以上が必須?
一般的に経営者や自営業者などが住宅ローンを借りる場合、頭金を物件価格の2割以上入れることが審査の土俵に上がる前提となる場合が多いです。
もちろん決算書の内容や年収、会社の信用度に左右されますが、逆に経営状況が良好なら貯金もそれなりにありますよね?という考えもあるため、2割以上の現金を用意することを前提に準備した方が無難です。
まとめ
・頭金は必ずしも必要ではない
・多く借りても団信でチャラになる
・頭金をイベントリスクへの備えや資産形成に利用するという選択肢もある
・経験上は「借りられるだけ借りる」という方が多い
コメント