登記費用の軽減や内容について詳しく解説

税金
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相続や売買により不動産を取得、売却した時には、権利関係を更新するための登記が必要です。

今回は様々な登記の内容と税率、軽減の条件等を解説していきます。

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■登記費用の内訳

司法書士に見積もってもらう登記費用は、登録免許税司法書士手数料との合計金額のことを指します。

司法書士に依頼をしなくても登記自体は可能ですが、専門的な手続きになる上に、売買などの取引相手がいる状況では万が一ミスがあると正しく所有権が移転できなかったり大トラブルの元になるため、ほぼ全ての場合で司法書士に委任することになっています。

・各登記の解説

不動産の取得による所有権移転登記や不動産の売却による抵当権抹消登記、相続による相続登記の際には、登録免許税が課されます。

登録免許税は、それぞれの登記によって定められた税率を評価額等の課税標準額に掛けることで計算します。

税額=課税標準額 × 税率(千分率)

【建物の表題登記(表示登記)】

建物を新築したときに、どういう建物を表示するのが表題登記で、この他の登記は司法書士が担当するのに対し、表題登記は土地家屋調査士が担当します。

建物完成から1ヶ月以内に行う必要があることから、完成済みの新築物件などは建築をしたビルダーが表示登記はすませてあることが多いです。

一部例外を除いて、表題登記に登録免許税はなく、表題登記のために用意する書類等の発行手数料のみで登記できます。(5,000円~1万円程度)

完成済みの物件や中古物件を購入する場合は買主に関係ない項目です。

【所有権保存登記】

表示された建物の所有者が、いつ何が原因で(売買など)で誰になったかという情報を表示するために行うのが所有権保存登記で、新築した建物の最初の登記時のみ行うため、中古物件の購入時には保存登記は発生しません。

実は所有権保存登記は義務ではありませんが、これがないと登記簿謄本上、所有者が不明なため、住宅ローン借り入れによる抵当権設定登記や、売買で所有者が変わったときの所有権移転登記が行えません。

新築物件を購入する場合で、建築主が所有権保存登記を行っていない場合は、買主が物件の最初の所有者として保存登記を行うことになります。

【所有権移転登記】

売買によって所有権が移転した時に必要な登記で、買主が支払うことになります。

【抵当権設定登記】

不動産を担保に住宅ローンなどの借り入れを行ったときに買主が行う登記です。

金融機関は抵当権を設定することで、住宅ローンの返済がされない場合に競売などによって債権を優先的に回収することができるようになります。

・登録免許税まとめ表

通常の所有権移転、保存登記等

【①新築物件の場合】

新築物件の登録免許税と軽減税率

・法務局認定価格
新築建物で固定資産税評価額が決まっていないときに、建物の構造なども基に法務局が作成する価格

・新築マイホームの軽減特例の条件
自己居住用住宅。新築または取得後1年以内に登記したもの。登記床面積50㎡以上

・抵当権設定の軽減税率の条件
新築マイホームの軽減特例の条件を満たすこと。

【②中古物件の場合】

中古物件の登録免許税と軽減税率

・中古マイホームの軽減特例の条件
自己居住用住宅。取得後1年以内に登記したもの。登記床面積50㎡以上。1982年1月1日以降に建築された物、もしくは、耐震基準適合証明書か住宅性能評価書(耐震等級1~3に該当する)を取得できる物、又は既存住宅売買瑕疵保険に加入している物。
※令和4年以前にあった築年数要件は廃止されました。

・抵当権設定の軽減税率の条件
中古マイホームの軽減特例の条件を満たすこと。

【相続・贈与による所有権移転登記】

相続や贈与によって所有権が移転する場合にも登記が発生しますが、通常の所有権移転登記と違ってマイホームの軽減税率が適用されず、原則の税率になります。

相続、贈与、遺贈による所有権移転登記の税率

その他

・抵当権の抹消登記
1件1,000円

・住所変更登記
1件1,000円

・建物の滅失登記(建物を解体・滅失したとき)
1件1,000円程度(必要書類の用意のみ)

登記手続きは多くの場合で司法書士に委任することになるため、登録免許税に加えて、数万円~十数万円の司法書士の手数料がかかります。
(売却時の抵当権抹消では2万円程度、購入時の所有権移転や抵当権設定登記ではまとめて十数万円程度)

■【ケース別】必要な登記

・新築戸建てやマンションを住宅ローンで購入した

【買主】
・所有権保存登記(建物)
・所有権の移転登記(土地)
・抵当権の設定登記

・住宅ローンで土地を買って建物を新築した

【買主】
・所有権移転登記(土地)
・建物表題登記
・建物保存登記
・抵当権設定登記

・抵当権のついた土地戸建て・マンションを売却した

【売主】
・抵当権の抹消登記
・住所移転登記(登記住所と現住所が異なる場合)

・抵当権のついた古家付きの土地を売却し、建物を解体した

【売主】
・抵当権抹消登記
・住所移転登記(登記住所と現住所が異なる場合)
・建物の滅失登記(解体後)

・相続や贈与などで不動産を受け取った

【受け取った人】
・所有権移転登記(相続の場合は相続登記とも言う)

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