井戸の埋め戻し。建築に制限が出る?

ノウハウ・豆知識
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「地面からパイプが出ているアレ、何ですか?」

それは井戸を埋め戻した跡です。

土地探しをしているとちょくちょく現れる井戸がある(あった)土地。

不動産屋は慣れっこですが、一般のお客様からすると、井戸というよく分からない物があると不安にもなりますよね。

そこで今回は、土地に井戸がある場合の注意点、影響、井戸の埋め戻しがどのようなものなのかについて解説します。

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■井戸の埋め戻しと費用

・埋め戻しの方法

井戸の埋め戻しは以下のような流れで行います。

1.お祓い(風習)
2.井戸の解体、内部の枯葉等の除去、水抜き。
3.息抜き用の塩ビパイプなどを刺す。
4.地層に合わせて砂や砂利を層にして穴を埋める。(地底部分は水が通れる砂利、地表近くは細かな砂等)

解体の順番が前後することはありますが、概ね上記のような流れです。

井戸の埋め戻し
埋め戻し後の井戸。息抜きのパイプが地表に出ているので分かりやすいです。

息抜きは、内部に溜まった空気やガスを抜くという実用的な意味の他に、井戸の水神様が息をできるようにという意味合いもあります。

・埋め戻し費用

井戸の解体・埋め戻しの費用は埋める深さお祓いの有無にもよりますが、
概ね10~20万円の範囲に収まることがほとんどです。

お祓いというのは、貞〇のような霊的なものを祓うということではなく、
井戸に宿るとされる水神様を鎮めるためのもので、
建物を建てる前の地鎮祭と同じような意味合いです。

慣習によるものなので、やることもあればやらないこともあります。

お祓いの費用は概ね2,3万円です。

■井戸は埋め戻せばOK?

井戸は適切に埋め戻しをすることで、通常の土地と同じように上に建物を建てることができるようになります。
※ただし次のような注意点もあります。

・建築への影響

砂を流し込んでいるだけなので、埋め戻した場所の地盤はどうしても軟弱になります。

建築会社も井戸には慣れているので大きな問題になることはほぼありませんが、
建物の基礎の角部分や布基礎の足の部分など、荷重が集中しやすい箇所が井戸の真上にすることは避けた方がよいこともあります。

そのため広い土地であればさておき、都心部など敷地面積が限られていて建物の配置の自由度が高くない土地では、わずかな建物の配置変更で斜線制限の受け方が変わり間取りに影響を与える可能性もあります。

井戸の位置は必ず事前にメーカーに共有し、必要により現地を確認してもらうなどしたいところです。

・土地の価値への影響

井戸があったり埋め戻されていても、土地の価格が安くなることはありません

考えれば当たり前ですが、昭和や大正の上水道が整備されていなかった頃までさかのぼると、どこのお宅にも生活の必需品として井戸が存在していましたし、
現代でも世田谷区などは、災害時の水源確保のため生き井戸の維持補修に補助金を出して井戸を保存してもらうよう取り組んでいます。

建物の建築に影響を及ぼすことも基本的にないため、井戸が土地の資産価値に及ぼす影響はほぼ無いと言えます。

ただし、井戸の存在を嫌う人がいることも事実です。

風水の先生に良くないと言われたなどの意見もありますが、「怖い」「気味が悪い」という声が一番多いです。

「貞〇」と固有名詞が出ることも少なくないので、リングが世間に与えた影響はかなりあるように感じます。。

井戸があるということはその地に昔から人が住んでいた証なので安心できる材料と捉えることもできますし、「井戸がある」という理由だけでその土地を弾くのは
とてももったいないです。

留意すべきことはちゃんと確認しつつ、先入観にとらわれないようにしたいものです。

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