風水で満点の家は住みづらい?家相や風水について考えてみる

コラム
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不動産屋をやっていると切っても切れないものがあります。

それが風水です。

風水を大切にするお客様は特に経営者層に多い印象ですが、中には風水の先生によって契約日、引き渡し日、引っ越しの時期、方位、間取りなどを事細かく指定されていて、物件探しが難航することがあります。

不動産の売買には必ず相手がいるので、「契約日と引き渡し時期がこうじゃないとダメ」と言ったところで相手が都合を合わせられないことも多いですし、相手の都合を押し付けられることを不快に思われる人もいて、ようやく見つけた物件が不調に終わることも少なくありません。

そこで今回は風水を悪く言うわけではありませんが、現実問題も考慮し、風水や家相との上手な付き合い方について考察していきます。

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風水を入れすぎると効率的な設計ができないかも

風水は、古来中国の陰陽道の考え方から生まれたものだそうで、住居や建物、都市などの吉凶禍福を方位などを用いて決定する思想です。

日本には風水から派生した考え方で、家相というものがあります。

家相は、建物内の家具や設備の配置を方位に基づいて決めるもので、ハウスメーカーや設計事務所は限られた敷地面積の中で、できるだけ家相を考慮しつつ効率的な設計を目指す傾向にあります。

ここに独自の風水の考え方を取り込みすぎると、例えば廊下が異様に長くなったり、何にも使えないような小部屋が生まれたり、変な場所に階段があったりと、一般的には使いづらい間取りになったり、そもそも物件の取得自体が非現実的になる可能性もあります。

4LDKの家を建てたいが風水を取り入れると3LDKまでしか入らない→もっと広い土地が必要→方位を決められていてエリアの変更は不可→予算が足りない→いつか相場が安くなるまで待つしかない。
という具合です。

また、一般ウケしない間取りの家は市場での価値が下がりやすく、将来売りづらい物件になってしまいます。

風水を大切にする方には大切にするなりの実績や考えがありますし、終の住まいにするのであればそれでも良いかもしれませんが、市場の現実と資産としての不動産を考えたとき、妥協点や代替案についてある程度柔軟になることも必要だと思います。

【家相】鬼門と裏鬼門

家相の柱になる考えが、鬼門と裏鬼門です。

方位を8等分にしたときの、北東が鬼門南西が裏鬼門とされていて、鬼門や裏鬼門の方向には玄関や水回りを配置しない方がよいとされています。

科学的には陽当たりが悪く湿気が溜まりやすい方角の水回りはカビが発生しやすく、寒い北風が直接入ってくる北の玄関は寒さの原因、ということらしいです…

家相の鬼門と裏鬼門について

他にも上の画像のように建物が真四角ではなく、一部が欠けている「欠け」はその方位に対応した運勢が下がるため、鬼門や裏鬼門に配置をすると大凶だと言われています。

逆に一部が張り出している「張り」はその方位の運勢を増強するため、北西や南東方向なら大吉、鬼門や裏鬼門に配置すれば大凶とされています。

現実問題

そもそも敷地が広大で余裕がある地域ならまだしも、地型や広さが限られる都市部の住宅街になれば、家相だけでも完璧に守ることはまずできませんし、さらに風水の要件も足すとなると、それに対応した効率的な間取りを設計するのは、

ハッキリ言ってほぼ無理です。

ちなみにご紹介した「欠け」には、ビルトインガレージ、ウッドデッキ、吹き抜け、階段なども含まれており、厳密に守っていたら駐車スペースがなくなりました、暗い家ができました、生活同線が最悪です、なんてことにもなりえます。

「家相や風水を気にし過ぎるよりも、住んでいて快適な家を目指す方が満足度も幸福度も高くなるし、将来の資産にもなる」
というのは、お付き合いのあるハウスメーカーや設計事務所の方がたまに口にする言葉です。

風水通りにしなくてもよいウラワザ?

マンションでは間取りを大きく変えられないですし、家づくりは土地の形や広さによって制限をされます。

契約日や引き渡し時期は相手方が都合を合わせてくれるか分からないですし、そもそもそんなにタイミング良く希望の物件が出るかは分かりません。

でも諦めるにはまだ早いかもしれません。

風水や家相には実は抜け道があるようです

鬼門封じ・鬼門除け

神社で鬼門除けや鬼門封じのお札をいただいて祀ることで、鬼門や裏鬼門の厄を封じることができるそうです。

凶運を緩和する置物

観葉植物や十二支のサルやネズミ、鶏などの置物を鬼門や裏鬼門に置くことで厄を避けたり、転じたりすることができるそうです。

契約日や引き渡し時期

風水の先生から売買契約日の指定がされていても、その日に契約書に目を通したり調印だけしたり手付金の引き出しや振り込みをするだけで、風水的に条件クリアになることがあるようです。

また引っ越しや引き渡し時期についても、引渡し前でも荷物の一部を購入物件に移させてもらったり代金の一部を支払えばOKになったりする場合もありました。

このように、我々には分からない風水の抜け道が存在するようなので、せっかく見つけた物件を諦めるその前に、条件が折り合わない部分に関して解決策がないか、今一度相談してみる価値はあります。

余談:国籍によって変わる吉凶

忌み数

日本では風水や家相ほど重要視されませんが、国や宗教によっては不吉な数を断固として避けることがあります。

例えば日本では死を連想させる「4」、欧米ではオーメンで有名な「6」や最後の晩餐の人数からきた「13」、中国では発音が「無」に近い「5」などが忌み数とされ、
ホテルやマンションの階層、部屋番号などはこのような数を避けるように決められていたりします。

逆に数字の「8」は日本では漢字が末広がりで縁起が良いとされていますし、中国でも無限大(∞)に似ていることからとても縁起が良いとされていて、「末尾ゼロの売買代金を2万円下げて末尾8にしてほしい」という交渉が実際にあったこともあるほどです。
(契約直前で交渉ができないので8万円高く買うのはどうかと提案したら断られました笑)

ある国の忌み数が別の国では吉数になっていることもあり、こればかりは気の持ち様のように思いますし、こだわり過ぎるとかえって損をする結果になることがあるかもしれませんね。

日本では南向きが人気だけど…

タワーマンションなどでは、南向き住戸よりも安価で、夏場でも暑くならない北向き住戸が先に完売することもあり、日本の「南向き信仰」は近年では崩れつつありますが、それでも「南側に大きな窓を」「土地は南向きが良い」という考えは根強いです。

しかしお国柄や宗教によってずいぶんと価値観が違うこともあります。

例えば、インド人のお客さんにとって南向きの窓は好ましいものではなそうで、逆にできるだけ北側に大きな窓を設けるような家づくり、物件選びをします。

日本人は新築が大好きですが、欧米のお客さんは古くてしっかりとした建物に惹かれやすい傾向があったりします。

不動産の価値基準は、宗教や国によっても大きく変わるようです。

まとめ

特に都市部では、風水や家相的に満点の家が見つかる、造れることはほぼありません。

大切にしたいポイントは押さえつつも、現実との擦り合わせから妥協点や代替案を見つけられないと、不動産の資産性を損なうばかりか、不動産探し自体が困難を極めるかもしれません。

どうしても折り合わない部分については妥協をするか、風水や家相の抜け道を活用するようにしましょう。

「家相や風水を気にし過ぎるよりも、住んでいて快適な家を目指す方が満足度も幸福度も高くなるし、将来の資産にもなる」
byハウスメーカー,設計事務所

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