業界アルアル。不動産業界の法律違反とタブー

トラブル
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不動産適正取引推進機構によると、全国の不動産業者(宅建免許を持った業者)は、令和4年時点で129,604件。
全国のコンビニが約5万7千件なので、なんとコンビニの倍以上にそこら中に不動産会社があることになります。

これだけ多いとルール違反をする業者も出てくるわけで、今回はそんな業界の法律違反、ルール違反についてご紹介していきます。

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■法律違反

手付金の誘因行為

例えば買主が契約の為の手付金をすぐに用意できない状況で、仲介業者が「うちが立て替えるのですぐに契約しましょう!」「手付金は後日もしくは分割払いでいいので契約しましょう!」と言って契約を誘った場合、それは「信用の供与」という行為で宅建業法違反です。

これには冷静な判断をさせる前に契約させてしまうのを防止する目的もあります。

仮に買主がどうしてもすぐに契約したいからお金を立て替えてください!と言った場合でも違法になります。

▼手付金を後払いしたときの契約の有効性についてはこちらをご覧ください▼

囲い込み

囲い込みは違法になる場合とならない場合がありますが、その多くは違法性があり、なくても売主に不利益をもたらす場合が多いので決して良い事ではありません。

囲い込みについてはこちらの記事もご参考ください▼

専任、専属専任物件のREINS未登録

一般媒介契約以外で不動産流通機構REINSへ物件を登録していない場合はREINSの規約違反で罰則の対象になります。

囲い込みが主な目的なので、やはり良い事ではありません。

▼三種類の媒介契約についてはこちらをご覧ください▼

媒介契約を結ばずに販売活動をする

仲介業者が媒介契約を結ばずに広告をしたり買主を募集したりするのは宅建業法違反です。

つい最近も媒介契約を結んでいないのにインターネットで広告されている売主さんに出会って「未だにそんな業者いるのか!」と驚愕しました。

電柱の捨て看板、道路上のカラーコーン

現地販売会が行われがちな土日になると町中で見かける、現地販売会場に誘導するカラーコーンや電柱に張り付けられる矢印看板やチラシ。

道路上に物を置くのは道路使用許可等を取っていなければ違法、電柱などに紙の看板を無許可で貼るのも、他人の所有物に勝手に看板を貼る行為なので違法です。

許可取りをすることはほとんどないので、ほぼ全てが違法行為なのが現状です。

夜間早朝の営業電話や訪問

特定商取引法では「迷惑になる時間帯の」電話勧誘が禁止されています。

消費者庁の「特定商取引に関する法律等の施行について」によると、夜21時~朝8時までの間は「営業に不適切な時間=迷惑と思われる時間」とされています。

もちろんちゃんとした用事があったり特段の急用がある場合はお客さんに連絡することもありますが、一方的な勧誘行為や訪問販売などの行為は禁止されています。

断られた後の再勧誘

特定商取引法では、電話、訪問などで一度契約を断られたあとの再勧誘を禁止しています。特に怪しげな電話営業が何度も何度もかかってくる場合は、特定商取引法という言葉を出せば勧誘がやむかもしれません。

おとり広告

すでに契約になっている物件や存在しない架空の物件、虚偽の広告内容などで実物よりも良く見せようとしている広告は「おとり広告」で大違反です。

大手仲介会社はとても気を遣っていますが、コンプライアンス意識の低い仲介業者では成約になった後も広告を掲載し続けていることも多く問題になっています。

■ルール違反

法律違反じゃないけど「それやっちゃダメでしょ」という業界のタブーもいくつかあります。

抜き行為や売主への飛び込み

A社が媒介を結んでいる物件をB社が案内して買主が物件を気に入った。

B社は直接売主と取引をすることで両手取引になり売り上げが高くなるので、手紙や訪問で売主さんへ直接コンタクトを取ってA社との媒介契約を解除させて直接売主と契約をした。

これは「抜き」と言ってA社からしたらとんでもない損害なので、仲介業者はもちろん場合によっては売主も訴えられるうえに、今後は取引禁止レベルです。

媒介契約には解除のための条件があるので、正当な理由なしで解除すると契約違反になります。

案内だけさせて契約は別の業者で

A社に物件の案内だけさせて契約は友人の不動産会社を通して、という場合も、違法行為ではありませんが全くいいことではありません。

信義則上の話だけでなく、A社が密に売主側業者と連絡を取っている場合は、別の会社を通して同じお客さんが申し込み入れてきたよなんて報告が入ったりすることもあり、契約してもらえなかったり要注意顧客として狭い不動産業界内でマークされるリスクもあります。

絶対やるな!とも言えませんが、仲介業者も慈善事業で案内しているわけではないのでやらないでほしいことです。

■まとめ

安い買い物じゃない不動産売買では、目先の損得以上に信頼関係が非常に重要視されます。

信頼できる売主、信頼できる仲介業者、信頼できる買主の三者が揃わないとなかなか成約には至りません。

目先の損得を優先して法律違反やルール違反をしたがために成約にならなかったばかりか、今後の取引まで禁止されることも少なくないので、関係者みんながお互いに誠意をもって付き合うようにしたいですね。

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