道路上・セットバック部分に植木鉢を置くことは許される?

トラブル
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私道上や二項道路のセットバックした部分に植木鉢や自転車を置いている家をたまに見かけます。

セットバックをしても、その部分を譲地(じょうち。行政に寄付したり買い取ってもらう)しない限り所有権は持ち続けるので、何をしても良いと思うかもしれませんが、実はこれはやってはいけないことです。

セットバックや道路種別についてはこちらの記事をご覧ください▼

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■セットバックの目的

建築基準法上、敷地は幅員4m以上の道路に接道していなくてはならないことになっており、4mに満たない場合は幅4mにするように敷地を後退(セットバック)させて道路状に整備しないといけません。

なぜ幅員4m以上にしないといけないかというと、消防車や救急車などの緊急車両の通行、人命救助活動を円滑に行えるようにするためです。

そのためいくら所有権があるからといって道路上に自転車や植木鉢を置くことは、これを妨げることになるためやってはいけません。

例え所有権があっても道路部分に私物を置くことは安全上の理由で禁止されています。

■逮捕に至った事例も

セットバックの必要がない道路でも、道路を塞ぐことでご近隣トラブルに繋がるだけでなく、悪質なケースでは道路の不法占拠などを理由に逮捕に至った事例も実際にあります。

もちろんよほどのことがない限り逮捕まで至ることはありませんが、道路は常に人や車両が通行できるように整備することが義務付けられているという事を念頭に、トラブルの種をまかないよう注意したいところです。

■他にもある!実は置いてはいけない場所

①マンションの廊下

マンションの廊下は共用部で、有事の際の避難経路でもあります。
部屋の前だからといって自転車やプランターなどを置くことは基本的には禁止されています。
しかし慣例上、自転車などを置いてもお咎め無しなマンションもあるので、購入前に管理会社や管理人にヒアリングをするようにしましょう。

②マンションの玄関ポーチ(管理規約による)

角部屋などでは、廊下と玄関の間に柵で仕切られたポーチがある物件もあります。
玄関ポーチは多くの場合、専用使用権があるだけの共用部です。

自転車や植木鉢を置いても人が余裕を持って避難できるスペースが空いていれば私物を置いても大丈夫なこともありますが、管理規約に明確に書かれていないor明確に禁止されてることもあります。

マンションにおける専用使用権部分は、必ずしも好きなように使っていいわけではないので、やはり事前に管理組合や管理人に確認をしてから購入するようにしましょう。

③ベランダの避難経路脱出口

ベランダにある「お隣さんとの境にある壊せる壁」や、上下階と繋がる脱出口は避難経路のため、常に人の行き来ができるようにしておかないといけません。

たとえ管理規約に明記されていなくても、プランターなどの障害物を置いてはいけない場所です。

④道路の隅切り部分

角地の角部分の道路が斜めに切られていることがありますが、これは区市町村条例で定められた幅員以下の道路の交差する部分において、車両が曲がりやすくするために道路状に整備することが義務付けられている部分です。

隅切り部分も敷地の一部として所有権を持ち続けることが多いですが、隅切り部分も常に車両が通れる状態にしておく必要があるため、仮に所有権を有していても障害物になる物を置くことは禁止されています。

京都など、昔からの慣習で曲がり角などに”いけず石”を置いている地域もありますが、現在のルールでは好ましくない場合もあるでしょう。

京都などでよくみられる「いけず石」
いけず石。車両事故による建物への被害を防止する目的があります。
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