引越し代や家具代も諸費用ローンで借りられる?思わぬデメリットも

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投資意識が高まってきている昨今、低金利の諸費用ローンを利用することで現金支出をできるだけ抑えたい、という考えの方も増えています。

この諸費用ローン、どの範囲の諸費用について認められるかご存じですか?

知れば意外と広い諸費用ローンの範囲と、
諸費用ローンを利用するデメリット、注意点について解説します。

不動産購入にかかる諸費用はこちらの記事をご覧ください▼

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■諸費用ローンのメリット

諸費用ローンの大きなメリットは、本来は現金で用意しなければいけない諸費用を、
住宅ローン本体と同じ低金利で借りられる点です。

『フリーローン』や『不動産担保ローン』で検索していただければ分かりやすいですが、
数百万円の現金を借りようとすると、金利は低くても2%程度、高ければ10%近くということもあります。

本来お金を借りるというのはそれほどの利息が取られる行為なのですが、
マイホームの諸費用ローンは本体のローンと同じ1%未満の金利でお金を借りられるという超優遇されている仕組みなのです。

〇組み込める!

・売買契約書の収入印紙
・仲介手数料
・登記費用(登録免許税+司法書士報酬)
・管理費や固定資産税等の清算金
・火災保険料

・ローン関係費(保証料、収入印紙、事務手数料)
引っ越し費用
新居の家具家電、カーテン費用

実は引っ越し費用も憧れの家具家電も諸費用ローンに計上できます。

何を諸費用ローンに組み込めるかは銀行ごとの規定によりますが、
引っ越し費用なども諸費用ローンに組み込める銀行は増えてきており、
三井住友銀行(SMBC)などのメガバンクでも可能です。
※2022年時点

×組み込めない!

・不動産取得税
・ローン実行後、規定期日以内に領収書が提出できないもの
・居住中賃貸の解約料や原状回復費用
・リフォーム費用
※諸費用もリフォーム費用も借りるということは原則できません。
別でリフォームローンがあるためどちらを選ぶか要検討。
・車や自転車等の購入費用

諸費用ローンはあくまでも新居を購入するためのローンなので、リフォーム費用や住宅に関係のない物は見積もりに入れることができません。
※ウラワザ的に住宅ローンで車を買ったという話も見聞きしますが、バレたらとんでもないことになるのでやめましょう。

また不動産取得税や、引き渡し(ローン実行)から1ヶ月以内などの期日以内に領収書を提出できない家具家電の購入なども対象外になります。

家具をゆっくり選びたい気持ちも分かりますが、
諸費用ローンで家具家電を揃える場合は、ある程度入居前に検討を付けておく必要があります。

■借入上限は?

リフォームローンも無限に借りられるワケではありません。

銀行の規定によりますが、
物件の売買代金の10%以下かつ500万円以下
などの上限額が決まっています。

高級家具を買いたいからと闇雲に多く申請することはできないので注意しましょう。

■諸費用ローンのデメリット

とても条件が良いように思える諸費用ローンですが、デメリットもいくつかあります。

①返済比率を圧迫する

年間のローン返済額と年収の比率を返済比率と言い、ローンの審査では返済比率が保証会社の規定内に入ることが承認の条件になります。

諸費用ローンも住宅ローン本体に合算されて計算されるため、そもそも購入物件の価格が借入上限近くの場合は諸費用ローンを申請することで減額や否決の可能性が出てきます

②審査の目線が厳しくなる

マイホーム購入の諸費用は物件価格の7%前後になることが多く、
目安として3,000万円の物件なら約210万円、1億円の物件なら約700万円といった具合です。

高額物件や返済比率が上限に近い審査になればなおさらですが、
数千万円の家を買う人が数百万円の貯金もできていない=浪費癖がある延滞の危険がある
と捉えられて審査に悪影響を及ぼすことも実際にあります。

預金通帳など自己資金のエビデンスまで出すことは多くありませんが、
お金がないから諸費用ローンを利用するのではなく、
お金はあるけど使いたくないだけ、
とアピールするために資産を証明するという小技が有効になることもあります。

③金利優遇が悪くなる可能性がある

審査に出した結果「諸費用を借りなければ金利優遇が0.5%上がるんですけどね」
などと銀行担当者から言われることがあります。

諸費用分が返済比率を圧迫するというのも一因ですが、前述のように諸費用分の現金を貯金できていないことが信用レベルに影響を与えることも関係しています。

④保証料や事務手数料が高くなる

保証会社への保証料や銀行への事務手数料額は、100万円あたり2万円~、借入額の2.2%など、借入額に比例して大きくなります。

仮に諸費用として500万円借りれば約10万円費用が大きくなる計算です。

どちらにせよ諸費用ローンの中に組み込まれてしまうので実感できないレベルではありますが、
費用総額は確実に増えているので注意しましょう。

■借りる予定があるなら早めの相談を

諸費用ローンは低金利で大金を借りることができる優遇された商品ですが、
「借りられるだろう」と安易に考えていると大事な場面で足をすくわれることもあります。

銀行の審査基準や商品は日々変化しており、頻繁に銀行と連絡を取り合っている仲介業者などでないと、最新の正しい情報に触れることは困難です。

最初の予算決め、資金計画立ての時点で仲介会社の担当者に
「諸費用も借りたいと思っている」と一言伝えるだけでローンの見当をつけてくれたり、
必要により予算の見直しなどを提案してくれることもあるでしょう。

住宅ローンの内情は思っているより複雑です。

まずは気軽に相談するようにしましょう。

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