住宅ローンを借りる時、大きく分けると『銀行』か『フラット35』か、どちらかで借りることがほとんどです。
名前の通りフラット35は「35年間固定の金利」の商品ですが、違いは固定か変動かだけではありません。
フラット35が一般的な銀行ローンよりも優れているポイントについて解説していきます。
※フラット35は2022年に新しい金利商品や適用金利の新ルール発表などの大きな改正がありました。
■フラット35が銀行よりも優れているポイント
・審査が通りやすい
フラット35は独立行政機関である、住宅金融支援機構が提供している住宅ローンです。
民間銀行と違い、より幅広い層の住宅購入を支援するスタンスのため、民間銀行では融資を断られてしまった人でも、フラットなら融資してもらえる可能性があります。
仲介業者も内容が厳しいかもしれないお客様の場合は、都市銀行とフラット35で並行して審査してもらうよう勧めたりします。
都市銀行では一般的に
△転職間もない人(大企業への転職なら可能なことも)
△個人事業主や中小経営者(連続3期黒字が条件など)
×派遣社員・契約社員(収入合算なら可能なことも)
このような傾向がありますが、
フラット35では
〇勤続年数の規定が都市銀行より緩い
〇個人事業主や経営者への融資条件が緩い
〇契約社員でも1年以上同じ職場で働いているなどすれば融資可能
など、いわゆる『属性』面で都市銀行よりも寛大な姿勢で審査をしてくれる傾向があります。
属性に不安がある人は事前に仲介業者を介してかフラット35を取り扱っているARUHIなどで相談してみましょう。
・借入額が伸びやすい
フラット35の特徴として『融資上限額8,000万円』かつ『物件価格の9割まで』、という制限はあるものの、審査金利が変動金利より低いこともあり、都市銀行よりも1,000万円以上多く借りられることも少なくありません。
固定金利が変動金利よりも多く借りられる仕組みについてはこちらをご参考ください▼
・団体信用生命保険が任意
通常の銀行の住宅ローンでは、団体信用生命保険(団信)に加入できることが融資を受けられる条件になっています。
この団信に加入する際に健康状態を申告することになりますが、「高血圧」「投薬をしている(した)」などの些細なことが原因で団信に加入できず、せっかく売買契約まで結んだのにローンが否決になる場合があります。
団信の加入要件や否決されるケースについてはこちら▼
通常の団信よりも加入要件のハードルが低い『ワイド団信』という商品もありますが、それでもダメならフラット35の出番です。
フラット35は団信への加入が任意です。
持病などにより団信が加入できない人にとっては、最後の砦とも言えるかもしれません。
・銀行の超長期固定より低金利
とある都市銀行の35年固定(超長期固定)の金利が2.03%~年2.43%なのに対し、フラット35の固定金利はフラット35Sなどの優遇抜きでも団信付きで1.52%です。(2022年9月時点)
全期間固定金利で借りるのであれば、フラット35は金利面でとても優れていると言えます。
・諸費用ローンも可能
不動産購入時の仲介手数料や登記費用、火災保険料等のいわゆる『諸費用』についても住宅ローンの一部として借りることが可能です。
例えば物件価格4,500万円、諸費用500万円の物件をフラットで借りる場合、合計5,000万円のうち9割(4,500万円)がフラット35の固定金利、1割(500万円)が変動金利の別口融資、という形になります。
一般的な銀行では、諸費用ローンを借りる場合は通常の審査よりも目線が厳しくなることが少なくありませんが、それと比べるとフラット35での諸費用ローンは単に数字が増えるだけで、目線が厳しくなるという感じがない印象です。
・フラット20,移住者応援の金利プランなど豊富な商品ラインナップ
借入期間が短い代わりに金利も低くなる【フラット20】
中古物件を買ってリフォームする場合の【フラット35】リノベ
地域活性化や子育て支援事業に該当すると金利優遇が受けられる【フラット35】地域連携型
移住者向けの【フラット35】地方移住型
2022年4月から始まった【フラット35】維持保全型
2022年10月から始まる【フラット35】S(ZEH)
など、通常のフラット35に5年10年の金利優遇期間が設定されているプランが多数用意されています。うまく使えば、金利1%を切るほどの大きな優遇が受けられることもあるので、ご自分の計画に合わせて利用しましょう。
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