相続不動産を売却する手順

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突然のことで準備がされていないことも多い相続。

悲しいことに、相続を巡り仲の良かった親族間で骨肉の争いに、、、というケースは本当に多いです。

将来的に相続する人も相続される人も相続発生前に知っておきたい内容として、
相続不動産をどのように売却していくかまとめました。

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相続発生から売却までの手順

相続が発生した場合の不動産の売却手順は以下のようになります。

不動産の査定
相続人を確定する
相続登記をする(遺産分割協議の原本が必要)
仲介会社との媒介契約(販売活動開始)
買主との売買契約締結(手付金の受け取り)
引き渡し(残代金の受け取り)

通常の不動産売却手順に②と③が追加されるのが相続による不動産売却ですが、この部分が最も時間がかかりうる部分です。
相続登記はすぐに行う義務がなく、遺産分割協議がすぐに終わらないこともあるため、⑥の引き渡しの直前に行うこともあります。

次項では②,③について解説していきます

▼通常の売却手順の詳しい流れはこちらをご参考ください▼

■相続人の確定と相続登記

相続が発生したら早急に…

●法定相続人の確定
●遺言書の有無の確認
自筆の物だった場合は、改竄防止のためにも絶対に勝手に開封せず、家庭裁判所に持ち込んで開封してもらいましょう
●被相続人の財産と債務を洗い出す
●遺産分割協議書の作成(遺言書がなく法定相続通りに分割を行わない場合)

これらを、できるだけ速やかに行うようにしましょう。

遺産分割協議が整わなくても不動産の売却活動は開始できますが、分割人数や割合が決まらないとそもそも売り出し価格が決まらないばかりか、後でモメて売却が振出しに戻ることもあるため、不動産屋や弁護士も交えてスムーズに進めたいところです。

遺産分割協議と不動産の所有者について

不動産などの財産は、相続財産の分割が確定するまでの間、法定相続人の共有物になります。(相続放棄者がいる場合は除く)

財産の分割に関わる遺言書が残されている場合は遺言書に従うことになりますが、遺言書がない場合は、不動産を含む財産の分割については法定相続人で協議し決定することになります。

これを『遺産分割協議』といい、協議の結果を証する書面が遺産分割協議書です。

不動産の売却代金の取り分などで揉めることもあるため、本来は売却活動開始前に遺産分割協議が終わっていることが理想ですが、遺産分割協議には長い時間を要することもあります。

遺産分割協議が整っていない間の不動産は法定相続人の共有物ですので、遺産分割協議の完了に先行して不動産の売却活動を行うことは可能ですが、売却不動産の引き渡し前までには遺産分割協議書の原本を用いて相続登記を完了していないといけないため、不動産の売却が発生する相続における遺産分割協議は、遅くても不動産の引き渡し前までに完了していないといけないことになります。

相続放棄と限定承認

各相続人は相続開始から3カ月以内に相続放棄をするか限定承認をするか選択し、家庭裁判所に報告します。

売却不動産の相続人の一部が相続放棄をすれば、その者を除いた相続人が不動産の所有者として登記されることになります。

●相続放棄

被相続人の財産と債務(負債)の全てを相続しないこと。
財産よりも負債の方が大きい場合などに選択することが多い。

●限定承認

債務よりも財産が多い場合、相続財産の中から債務を清算し、プラスになった部分のみを相続すること。

相続登記について

2022年現在、不動産の相続登記は任意となっていますが、相続した不動産を売却する場合には所有者(売主)を第三者に証する必要があるため、相続登記が必須です。

なお、2024年4月1日から、不動産相続を知った日から3年以内の相続登記が義務化されます

■補足

各種契約書には相続人全員の署名押印が必要

売却を依頼するための媒介契約書売買契約書登記移転の委任状などは、相続人全員の署名・捺印が必要になります。

相続人が複数いることから書面のやり取りなどに時間を要し、買付申込を受け取ってから2週間3週間と時間がかかっていては、せっかくの購入希望者も痺れを切らして心変わりする可能性が高くなっていきます。

遠隔地に住んでいるなどして書面のやり取りがすぐにできない相続人がいる場合は、事前に委任状を使って契約関係業務の代理人を立てたり、登記を依頼する司法書士と事前に面談して、登記手続き時に必要になる本人確認や登記の委任を済ませておくなどの工夫をしたいところです。

手付金の分配はどうするか

売買契約時には買主から手付金を受け取りますが、相続により所有者が複数いる場合、手付金は誰が受け取って保管するでしょうか。

これはケースバイケースで、売却の窓口になっている相続人が責任を持って預かる場合もあれば、弁護士仲介会社が引き渡し(残金決済)まで預かることもありますし、一番持ち分が多い人年長者を選ぶこともあれば契約時に所有者全員に分配することもあります。

ルールは決められていないので個別で決めてOKですが、手付金は万が一解約になった場合に返還しないといけない金銭のため、使い込んでしまいそうな相続人や、連絡が付きづらく万が一のときにすぐに回収できない可能性があるような相続人には預けるべきではないでしょう。

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