旗型地が整形地よりも優れている点

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土地には大きく分けて整形地不整形地とがあります。

簡単にいうと、整形地は長方形や正方形の土地、不整形地はL字型になっている旗型地(敷地延長とも)や三角地などの、四角形じゃない土地のことを指します。

メリットばかりのように扱われる整形地にもデメリットがあり、
逆に整形地に劣るように扱われがちな不整形地にも特有のメリットがあります。

不整形地代表の旗型地と整形地の、良いところと悪いところを比較しました。

区割り販売時の整形地と旗型地の代表的な形状
区割り販売時の整形地と旗型地の代表的な形状
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■整形地

・メリット

①設計の自由度が高い

広大な敷地面積があれば話は別ですが、敷地面積を目いっぱい使う都市型住宅地では、整形地の方が間取りの柔軟性が高いと言えます。

旗型地で床面積を最大限確保しようと思うと、玄関の場所は通路部分を抜けた正面にほぼ固定されます。

一方整形地では玄関の位置や向きはある程度自由に設計できます、ある程度間口があれば車の横停め縦停めも選べます。

②建物が見栄えする

道路から見える建物の面積が広いため、外観を見せたい輸入住宅などを建てるには整形地が向いていると言えます。

③リセール時に地型NGになりづらい

不動産の売れる売れないは結局は価格に依存するため、適切な価格設定を前提とすれば整形地だから売りやすい、旗型地だから売りづらいということはそこまでありません

とはいえ、旗型地NGという条件で不動産を探しているお客様は一定数いるため、整形地であれば地型を理由にNGになることは確実に少なくなります。

どんなに良い物件もまずは見てもらわないと売れないため、見学の前段階で”ふるい”にかけられることが減るという観点では、打席に立てるチャンスは旗型地よりも多いと言えるかもしれません。

・デメリット

①通行人の目線問題

南向き整形地の1階に明るいリビングを!

理想的に聞こえる一方で、道路を歩く通行人の目線が気になって結局カーテンを閉めないと落ち着かず、結果室内が暗くなるというジレンマに悩まされる人が多いのも事実です。

宅盤の高さや設計の工夫で解決できることもありますが、道路から見える建物の面積が増えればその分目線対策をする必要が出てきます。

②良くも悪くも価値が高い

整形地は旗型地よりも評価が高いため、売買価格はもちろん、固定資産税評価額や相続税評価額(路線価)も旗型地より高くなります

売買価格では、同じ面積の建物が建てられる旗型地と比べて数百~数千万円の差が出ることもあります。

■旗型地(旗竿地、敷地延長、敷延とも)

・メリット

①整形地よりずっと安い

一番はやはり価格です。

旗型地は整形地の7~8割程度の坪単価に設定されるため、相場的に予算が足りないときは旗型地を検討してみるとアッサリと希望の物件が見つかることも多くあります。

②通行人の目線が気にならない

建物が敷地の奥に建つため、道路からの目線がほとんど気にならないと思います。

敷地外から家の様子が伺い知れない高いプライバシー性から、有名人を始め旗型地を好む人もいます。

③道路斜線がかからない

旗型地では道路から建物までの距離が離れており道路斜線制限を受けることがほぼないため、配慮する必要がある制限がひとつ減ります。

④家賃は整形地と変わらない

賃貸住宅の家賃は駅距離・陽当たり・築年数の影響は受けますが、土地の形には影響されません。

旗型地は整形地よりも安く買うことができ、整形地と同じ家賃で貸せるという事は、整形地よりも旗型地の方が利回がずっと良いということになります。

賃貸住宅を建てたり将来的に賃貸に出す予定があるなら、旗型地は良い投資対象になりえます。

⑤隣地次第では整形地より陽当たりがいいことも

例えば北向きに接道していて、南側隣地が公園や緑地、崖になっているような敷地であれば、旗型地の方が陽当たりや眺望が良いということもあります。

整形地より安く、整形地より陽当たり眺望が良いとなれば、むしろ旗型地の方が総合的な価値が高いとも言えるかもしれません。

道路の旗型地(敷地延長)は整形地より陽当たりが良い可能性もある

・デメリット

①四方を建物に囲まれる

整形地は最低でも道路側の面には建物がありませんが、旗型地は四方を建物に囲まれているのが一般的です。

民法によって建物間の距離は通常1m以上は離れていますが、それでも開放的とは言えないかもしれません。

陽当たりに関しても、斜線制限によって最低限は確保されているものの、1階部分まで陽当たりサンサンというわけにはいかないでしょう。

②駐車スペースは狭くなりがち

道路と接道している部分から奥行き5mほどまでの通路部分が幅2.5m、そこから宅地部分までが幅2.0mというのが旗竿地の典型的な形です。

駐車スペースの幅2.5mというのは、一方に目いっぱい車を寄せても運転席側のドアを全開までは開けられない程度の幅で、一般的な国産車を停めるための最小限の幅とも言えるので車種が限定されてきます。

ただし整形地においても、駐車場をビルトイン型にする場合は旗型地と同様に車種に制限が出るので優劣が付かなくなります。

③大きな旗型は買い手が限られる

例えば都内住宅街の100坪を超えるような旗型地などは、いくら坪単価を安くしても販売価格は億を超えてきます。

一般的な会社員には手が届かない一方で、億を超える不動産を購入できる富裕層は、巨大な旗型地よりも多少高くて狭くなっても整形地を好む傾向があります。

このように大きすぎる旗型地というのは市場の需要とマッチしづらく、買主の対象が狭く特殊になってきます。

④インフラの新規引き込み費用が高額になる場合がある

水道管などのインフラ設備は、距離によって引き込み費用が増減します。

既存の引き込み管を再利用できれば問題ありませんが、新規引き込みとなると宅地部分までの長さによっては整形地と比べて費用がプラス数十万円高くなることもあります。

■まとめ

多くの旗型地は同じ坪数の整形地とほぼ同じ床面積の建物を建てられるように区割りされています

建物の広さは必要だけど予算が合わない、そんなときに旗型地は十分検討の価値があります。

整形地にも旗型地にもメリットとデメリットがありますが、リセール性は最終的に価格設定への依存が大きいため、どちらも相場より高ければなかなか売れませんし、相場通りであればそこまで時間をかけずに売ることができます。

予算に余裕があれば整形地を買っておけば間違いはなさそうですが、土地の向きや形状、周辺建物の状況によっては整形地よりも隣の旗型地の方が価格的にも陽当たり的にも好条件ということも少なくありません。

なかなか希望の条件で物件が見つからないときは、入り口を少し広げて検討されてみてはいかがでしょうか?

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