賃貸トラブルはここに連絡!仲介会社と2種類の「管理会社」の役割

コラム
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賃貸物件を契約したことがある人なら「管理会社」という言葉を見聞きしたことがあると思います。

賃貸借契約書には入居後に物件内で故障不具合があった場合の連絡先として、管理会社の連絡先が記載がされていることがほとんです。

筆者は賃貸ビルやマンション、一戸建て等の管理業務も行っていますが、
借主様とお話をしていると、部屋の管理会社・仲介会社・一棟建物の管理会社を混同されていることがとても多く、
また、トラブル発生時にどこに連絡をしたらいいか分からなかったためとりあえず弊社に連絡をした、ということも少なくなく、
我ながらこの業界の仕組みって一般の方には分かりづらいなと感じることがあります。

今回は混同されがちな賃貸の「管理会社」「仲介会社」についてその役割と関係を解説します。

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■それぞれの役割と関係

一般的な管理会社や仲介会社の関係を表すと下図のようになります。

①仲介業者

家を探すときに物件を紹介してくるいわゆる不動産屋さんです。

自社がオーナー様から依頼され管理会社になっている物件を紹介してくることもあるので、その場合は仲介業者=物件の管理会社になります。

仲介業者は基本的には物件を紹介して入居までのサポートをするのが役割のため、契約書の不備等で揉めることがない限り入居後に連絡を取り合うことはほぼなく、また立場上、物件の貸主とは直接連絡を取り合えないのでトラブルの相談を受けても対応できないことがほとんどです。

②(物件の)管理会社

マンションやビルの一室、一戸建て、駐車場などの所有者から依頼を受けてアレコレしているのが物件の管理会社です。

特にマンションの場合、マンション全体を管理している管理会社と同じ「管理会社」という言葉で呼ばれることがほとんどのためよく混同されてしまいます。

役割は入居者の募集(広告)、契約書の作成、家賃等の収納代行、専有部分(室内)の故障不具合の窓口、解約時の窓口等で、入居後に貸主と借主の間でパイプ役になることで貸主から毎月管理料を受け取っています。

契約書や重要事項説明書にも、専有部分の故障不具合時の一次窓口として記載されています。

基本的に、借りている物件で設備の故障不具合などがあった場合には、この管理会社にまず連絡をするのが正解です。

③(一棟の)管理会社

分譲賃貸マンションなどでは、管理組合(部屋の所有者達の組合)が建物全体の管理を管理会社に委託していることがほとんです。

大手どころでは三井不動産レジデンシャルサービス、三菱地所コミュニティ、長谷工コミュニティなどがこれに該当します。

役割は建物の廊下やエントランスなど共用部の維持管理、建物全体の維持管理、全体の修繕計画の管理、組合との定期総会の開催などで、エントランスの掲示板などにこの管理会社の連絡先が張り出されていることが多いです。

大手不動産会社などが賃貸用に建築したシリーズのマンションでは、貸主=一棟の管理会社=物件の管理会社、ということもあります。

なお、賃貸物件が一戸建てや駐車場の場合は共用部も何もないため、一棟の管理会社=物件の管理会社となるでしょう。

賃貸の入居者が連絡を取るとすれば、共用廊下の電気が切れている、ゴミ置き場から異臭がする、隣接住戸の騒音問題など、入居物件の専有部分のみを管理する前述の管理会社では手が及ばない部分について相談をするときになります。

この管理会社の連絡先等についても、契約書や重要事項説明書に「共用部の不具合の窓口」として記載されているので、共用部と専有部どちらの不具合なのかで連絡する管理会社が変わることになります。

■まとめ

①入居時の契約内容を巡ってトラブルになっている→仲介会社or物件の管理会社(重要事項説明をした会社がなお良し)

②専有部の故障不具合等→物件の管理会社

③契約の解除希望→物件の管理会社

④共用部の故障不具合・近隣住民トラブル等→一棟の管理会社

管理会社等が存在しない、管理会社がトラブル解決に動いてくれないなどの場合は、こちらの記事もご参考ください▼

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