賃貸でも持ち家でも、「住む街」を決める際に皆さんは何を基準に選んでいますか?
土地勘がある、お店がたくさんある、職場から近い、子供の学区域、親族家の近く、不動産相場が安定している、犯罪が少ないなど、重視するポイントは人それぞれです。
しかし、特に所帯を持っていたり、終の棲家を探すなら、
「自治体の財政状況」で街を選ぶ、という視点も実は重要かもしれませんよ。
自治体の懐事情は、福祉、サービス、広義での街づくり計画に影響を及ぼします。
国が補助金という形で下支えするため、よほどのことがない限り自治体が財政破綻することはないとは思いますが、せっかく長く住むつもりなら財政が安定している、もっと言うと「お金持ち」な街に住めば様々な面で得をすることがあるかもしれません。
そこで今回は全国の自治体の財政力に着目し、財政が安定している街をランキング形式で紹介します。
■財政力指数トップ10は意外な街だった?
「お金持ちの街」といっても、その定義は様々です。
地価(不動産)が高い
住民の平均所得が高い
住民一人当たりの債務が少ない
税収が多いetc
様々な視点がありますが、分かりやすく財政的豊かさを示す「財政力指数」を見ていきましょう。
そして以下が令和5年度の財政力指数トップ10の自治体です!
順位 | 都道府県 | 団体名 | 財政力指数 |
---|---|---|---|
1 | 愛知県 | 飛島村 | 1.94 |
2 | 青森県 | 六ケ所村 | 1.61 |
3 | 長野県 | 軽井沢町 | 1.52 |
4 | 東京都 | 武蔵野市 | 1.51 |
5 | 福島市 | 大熊町 | 1.46 |
6 | 北海道 | 泊村 | 1.44 |
7 | 千葉県 | 浦安市 | 1.42 |
8 | 新潟県 | 刈羽村 | 1.39 |
9 | 茨城県 | 東海村 | 1.38 |
10 | 福島県 | 広野町 | 1.34 |
日本の首都東京が上位を独占するかと思いきや、東京でランクインしているのは「吉祥寺」を擁する武蔵野市のみという結果です。
ちなみにダントツ一位の愛知県飛島村は「日本一リッチな村」とも言われており、住民に対して結婚祝い金、長寿祝い金、未成年の医療費無料など、住民サービスが非常に手厚いことで有名です。
飛島村南部の臨海工業地域には輸送関連会社・倉庫・鉄鋼関連事業所・火力発電所などが密集しており、物流の大きな拠点になっていることから、企業活動による税収入が非常に大きいことがポイントになっています。
多くの自治体が企業誘致に力を入れるのも納得できますね。
■東京都内はどうか
それでは東京都内に限定して財政力指数を見ていきましょう。
順位 | 団体名 | 財政力指数 |
---|---|---|
1 | 武蔵野市 | 1.51 |
2 | 府中市 | 1.21 |
3 | 調布市 | 1.18 |
4 | 立川市 | 1.16 |
5 | 港区 | 1.15 |
6 | 三鷹市 | 1.13 |
7 | 多摩市 | 1.12 |
8 | 国分寺市 | 1.03 |
9 | 小金井市 | 1.01 |
10 | 国立市 | 0.99 |
区部でランクインしているのは港区のみで、10位の国立市以降は財政力指数が1を切っているという結果には少し驚かされませんか?
実際の財政は他の指数も使って多角的に分析する必要があるので、指数1を切っているから直ちにマズい!ということではありませんが、それでも指数1以上ということは財務体質が強く、安定した福祉やサービスを期待できるという一つの根拠になるかもしれません。
■財政力指数を見る便利なツール
総務省のホームページから各指数のデータをエクセル形式でダウンロードして閲覧できますが、もっと分かりやすく視覚的に見ることができるRESAS(リーサス)というサービスがあります。
地方創生にデータ面で支援することを目的に、経済産業省中小企業庁事業環境部企画課調査室と内閣官房新しい地方経済・生活環境創生本部事務局が作ったサービスなので誰でも安心して利用できます。
住む街で迷っている方、今住んでいる自治体の状況が気になった方は、このようなデータを利用して検討してみるのもいいかもしれませんね。

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