築古購入|古くなったマンションは将来どうなる?

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築40年を超える旧耐震基準のマンションは全国に100万戸以上あると言われています。

建物構造部の老朽化や大規模地震下での安全性の面から旧耐震マンションの再生が急務とされている昨今ですが、
それと同時に築古住戸のフルリノベーションは人気を増していて、
築古マンションを新規で購入する人も多くいます。

とは言え鉄筋コンクリートの建物評価が底を打つのが約50年とされていることから、
築50年を目前にしたマンションを購入する人にとって、
節目を迎えたマンションが今後どうなるかというのは非常に心配なところ。

国内の事例はまだまだ多くないものの、
古くなったマンションはどのような道を辿るのかについてご紹介します。

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■老朽化したマンションの将来

①建替える

マンションの建替えには、管理組合の議決権の4/5以上の同意が必要です。

住人の中には金銭的事情から建替え費用を負担できない人や、簡単に居住地を変えられない高齢者などもいますし、
所有者が遠隔地に住んでいてそもそも連絡が取れないといったこともあるため、
全体の8割の同意を得るのは実際なかなかにハードルが高いと言えます。

マンション建替円滑化法により、
一定敷地面積以上のあるマンションで市街地環境の整備改善について許可を受けた物件は、容積率の緩和処置を受けられる特例があります。

建替えに向けた話し合いでは、発生する費用負担や工事中の住居の確保はもとより、
現在よりも大きなマンションが建てられることによるメリットを踏まえた話し合いが大切です。

マンション建て替え事業の流れ
国土交通省:マンション建替円滑化法 パンフレット抜粋

②一棟フルリノベ

耐震工事や設備を一新して一棟フルリノベーションという事もあります。

ただし管理組合(賛成居住者)が多額のリノベ費用を捻出するのが難しい可能性が高いので、
再生事業者(デベロッパー等)に丸々買い取ってもらって、工事完成後に購入して再入居、ということもあります。

③敷地売却

建替えと同じく議決権の4/5以上の賛成が必要ですが、老朽化したマンションの敷地をデベロッパーなどに売却することも可能です。

建替えと比較したときの利点は、シンプルに資産を現金化し、新たな住戸を探し始められるという点でしょう。

また、買い受け人(デベロッパー)との協議次第では、再建後のマンションを購入・再入居することも可能です。

マンション敷地売却の流れ
国土交通省:マンション建替円滑化法 パンフレット抜粋

④耐震改修して住み続ける

国の補助金制度を利用し、耐震診断・耐震性改善工事を行いそのまま居住し続けることも可能です。

負担する費用や決議の難易度、所要期間を比較すると、これがもっとも現実的な方法かもしれません。

◆様々な支援制度

費用面が原因で再生が難しいマンションは数多くあることから、マンションの耐震改修や建て替えには、税制特例や融資支援制度が用意されています。

・費用補助制度

【住宅・建築物安全ストック形成事業】
耐震診断や耐震改修に係る費用の補助

【優良建築物等整備事業(マンション建替タイプ)】
マンションの建替えの調査設計計画費や土地整備費、共同施設整備費の補助

・税制特例

【各区分所有者に係る特例】
譲渡所得の課税の特例等

【組合に係る特例】
事業上の登記の課税の特例等

・融資制度

【住宅金融支援機構によるまちづくり融資】
マンション建替えの事業資金や高齢者の建替え後の住宅の取得費用への融資

■築古マンションを買うメリット

・好立地な物が多い

マンションを建てる敷地は早い者勝ちなので、
昔に建てられたマンションは駅前や名勝地脇などの一等地に建っていることも多くあります。

・価格が安い

当然ですが建物が古い分、立地の割に割安な価格で物件を買うことができます。

リノベーションに大きく予算を割いたとしても周辺他物件よりも安く仕上げることができることも多いです。

・建替えによって資産増加の可能性がある

もしも管理組合で建替え決議が採決されて建替えや敷地売却が行われれば、
単に住んでいるマンションが新しくなるだけでなく、もともとの地権者として良い住戸を与えられたり、一般分譲価格よりも割安で新しい住戸を購入する権利を与えられることもあります。

それゆえに再生価値の高い好立地の築古マンションをあえて好む投資家思考の方もいます。

ただし築古マンションの建替え自体まだまだ前例が少ないため、狙い撃ちするのは難しいでしょう。

■デメリット

・結局将来どうなるか分からない

建替えやフルリノベされるマンションを見かけるようになりましたが、それでもまだまだ事例数は少ないです。

いざ再生が行われることになれば良いのですが、組合内で意見が分かれて協議が一向に進まず、何もアクションが起こせないという事態に陥ることも容易に想定されます

築古マンションは将来的な住戸確保の面で安定しているとは言えないので、購入の際には住居地への柔軟性が求められます。

※決議の難易度を下げるために議決権割合を4/5から3/4に緩和するという法改正案も出ています。

・高額な修繕積立金

基本的にマンションは老朽化していくほど修繕費用が高くなっていくので、
修繕積立金も築浅のマンションと比べて2倍3倍高いことはザラにあります。

いくら物件価格が安くても高額なランニングコストに食指が動かないという人も多くいます。

・火災保険が高い

旧耐震建物の火災保険料は新耐震のそれと比べて割高になります。

・各種税優遇が受けられない

〇住宅ローン控除
〇登録免許税の軽減
〇住宅取得等資金の非課税贈与の特例
〇不動産取得税の軽減

これらの各種優遇を利用するには
・1982年1月1日以降に建築された建物
or
・新耐震基準に適合している建物
という要件を満たす必要があります。

新耐震基準の建物と比べると数十から数百万円の差が生まれるのでバカになりません。

・安全面の不安

旧耐震基準で建てられているからと言って大地震で必ず倒壊するわけではありませんが、
やはり万が一のことを考えると不安を感じる人は多いでしょう。

「もし鉄筋コンクリートの建物が倒壊するほどの大地震が来たら新しくても古くてもタダじゃ済まないんだから気にしません」
というお客様もいて「まぁ、たしかに…」となったこともありますが、考え方ですね。

・リセール性が良くない

例えば築45年の住戸を購入して10年後の築55年時点で売却しようとしても、
一般顧客からするといつ建替えや取り壊しになるかも分からないマンションは、
決して精神的に買いやすい物ではないでしょう。

住環境をすぐに変更しづらいファミリー世帯や高齢者などにとってはなおさらです。

むしろ建替えを狙う投資家的目線の人にとっては好都合な場合もあるでしょうが、
築浅のマンションよりも売却の間口が狭くなることは覚悟しておくべきでしょう。

■まとめ

・老朽化したマンションには以下の選択肢がある。

①建替え→再入居
②一棟リノベーション
③敷地の売却→現金化 or 再入居
④耐震改修して住み続ける

・建替えや改修には様々な支援制度、緩和処置がある。

・旧耐震マンションの購入には立地や費用的メリットがある一方で、ランニングコストの増加や税制的不利が伴う。

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