どんなときに買取になる?一般売却との比較と例

ノウハウ・豆知識
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不動産の売却を大きく分けると、不動産情報サイトなどに掲載して買主を探す一般向けの売却と、
不動産会社(宅建業者)による買取の2種類があります。

物件や売主さんの状況によっては買取じゃないと売却が難しいこともあります。

二つの違いから、どのような場合に業者買取をオススメするかまとめます。

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■それぞれの特徴

一般売却

購入と売却の流れは、こちらの記事で紹介したような流れになります。

一般的には以下のような特徴があると思います。

・住宅用であれば買主は住宅ローンを使う確率が高いので、契約後にローン解約される可能性がある。

・住宅ローンの手続き上、引き渡しは早くても契約から1か月以上かかる。

・マンションや戸建ての場合は内覧が必ず発生する。

・土地戸建ての場合は測量や覚書の取得などを、売主がやってあげないといけない。

・引き渡した設備や見えない部分の瑕疵に対する責任が引き渡し後一定期間発生する(特約により免責にできますが、これにより破談になることも少なくありません)

・所有者、債権者が複数いたり敷地の権利関係が複雑になっているようなトリッキーな物件だと敬遠されて売れづらい。

・情報サイトに広告掲載するため、周辺住民や不動産サイトを見ている知人にはだいたいバレる

業者買取

特徴を簡単にいうと、
一般売却よりも安くなる代わりに煩わしい事をほぼ全て飛ばして、複雑な案件にも対応できる
です。

・売主の契約不適合責任(旧瑕疵担保責任)は免責

・いくらで買う、買わないの判断がとても早い

・業者も融資を受けますがローン特約はつかないので、仮に融資が承認にならなくても白紙解除にはならない(手付放棄)

・物件と業者によっては契約から1週間もせずに決済=現金化できる。

・必ずしも内覧が必要じゃない

・測量は基本的に必要ですが、場合によっては現況のままでも買い受けてくれる。

・残金決済をしても引き渡しを待ってくれる「引き渡し猶予」などで融通が利きやすい。

・権利関係が複雑だったり再建築不可の物件、特殊な立地や地型、農地転用が必要だったり土壌汚染の可能性があるなど、一般客に敬遠される物件でも対応できる。

持ち分だけの売却にも対応できる業者がある。

・仲介業者が広告をせずにコネクションから業者を見つけてくるので、販売活動が周囲に気づかれない

などなどとにかく、
早い、面倒ごとが少ない、細かなことを言われない、というのが業者買取です。

■こういう場合は買取検討

権利などで複雑な事情がある

複数人の共有物で話をまとめられない、債権者の取りまとめが難しい、決定権者になかなか会えない、測量や隣地関係で問題がある等々、取りまとめが難しい案件は、契約直前でも状況が二転三転することも多く、一般の方向けに紹介するにはハードルが高いです。

早急に現金化したい

早ければ募集開始から2週間程度で現金化できて解約のリスクが少ない業者買取は、早急かつ確実に現金化したいときに強い味方になるかもしれません。

売却後に責任を負いたくない

業者買取では契約不適合責任(瑕疵の責任)が免責になります。

引き渡し後にシロアリが見つかっても水漏れが起こっても、地中から埋設物が見つかっても、責任は負わなくて大丈夫です。

買主が個人の一般売却は、一定期間内の瑕疵の発見は売主の負担で修理しないといけません。

相続が発生した

相続による業者買取は多いですが、相続=必ず買取というわけではありません。

相続がきっかけで買取になる例を挙げると、

・相続税を払う現金資産がない。
・遺産分割協議に時間がかかり、相続税の納付期限(相続開始から10か月以内)までに時間がない。
・途中で解約されると納付できなくなるため確実性が必要。
・不要資産で面倒をかけたくない。
・相続人どうしで揉めていて、安くてもいいからとにかく早く手放して解放されたい。
・不動産の相続人が多い、遠隔地に住んでいるなど、契約や決済の諸々の承諾を得るのに毎回相当な時間がかかる(普通の買主は待てない)

など、事情は様々です。

逆に例えば、
一軒家に家族全員で住んでいて、所有者が亡くなった。
相続人は同居家族のみで、揉め事もなく遺産分割協議が済んだ。
相続した家を売却して引っ越したい。
相続税は手持ちで払える。

なんてときは、普通の共有名義の物件として一般向けに売却しても何ら問題ないでしょう。

一個人が買うには大きすぎる物件

30坪程度の土地が多い住宅街の中で150坪の土地を売りたいと思っても、そのままじゃ需要がないですし、資金的に買える人がそもそもいないこともあります。

その場合は区割りして販売したり戸建てやアパート建築をするディベロッパーに売却することが多いです。

再建築不可物件

再建築不可の物件は住宅ローンが使えないため、一個人が住宅用で買うことが難しいです。

一方買取業者の中には、きれいにリフォームして投資家に販売したり、保有して賃貸に出したするのが得意な業者もたくさんあります。

住宅ローンが使えない物件

再建築不可物件以外にも、増築や改築をして建ぺい率/容積率を超えている違反物件や一部の連棟物件など、住宅ローンが使えない物件もあります。

こういう物件で違反部分を是正できない場合は、販売価格を大きく落とすか、更地にして土地販売にするか、業者買取にするかしないとなかなか売れません。

持ち分売買

不動産の持ち分を買ったところで完全に自分のものになるわけではないので、一般の人はまず買いませんし、買える人もかなり限定的でしょう。

業者の中には、時間をかけて将来的に持ち分すべてを取得することを目標にして、持ち分だけでも買ってくれる業者もいます。

持ち分売買の場合は基本的に業者買取に一直線です。

売却に関わる諸費用の捻出が難しい

特に古い土地や戸建てを一般向けに売却する場合、仲介手数料以外にも測量費用や解体費用、残置物の撤去費用等で数十万円かかることもあります。

もし費用の工面が難しい場合は、それらの支払いをしなくて済むかもしれない業者買取の検討をしてみてもいいと思います。

売却後もその家に住み続けたい

老後資金や事業の運転資金の調達のために売却して現金化したいけど、引っ越し先が見つからないなど、今の家に住み続けたい場合は、リースバックというシステムを使うことで実現できます。

リースバック事業者に売却後、事業者と賃貸借契約を締結することで売却後にも賃貸として住み続けることができるシステムで、ここ数年間で利用者が増えてきています。

将来的に買い戻したいと思っている場合は再売買予約権の特約を付けられる場合もあり、うまく利用できればライフプランを好転させることができるかもしれません。

ただし下記のような注意事項があり、慎重な検討が必要です。

・賃貸借契約には、借主に更新の意思があれば更新できる普通賃貸借契約と、更新ができない定期借家契約があります。定期借家契約でも再契約ができる特約をつけてもらうなど、計画に合った契約か確認が必要。

・ローンの残債が買取の査定額よりも上回っている債務超過の場合はリースバックが利用できません。

・買い戻す場合は基本的に売値よりも高くなる。

・賃料支払いのための安定収入がない場合は利用に制限がかかることが考えられる。

まとめ

・業者買取は売主の負担が少なく楽

・業者買取は一般売却よりも何割か安くなる

・一般ニーズに合わなかったり複雑な案件では業者買取が活躍

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