こんなマンションは買うな!?購入時に気を付ける項目8選

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不動産ポータルサイト大手のat homeが21歳~49歳の住宅購入者に向けて実施したアンケートによると、
今後住み替えはせず永住予定で住宅を購入した」という人の割合は、
一戸建てでちょうど半数、マンションに至ってはたったの35%だったそうです。

つまり全体を見ると、過半数の人が将来的な住み替え(売却)を見据えて住宅を購入していることになります。

永住目的での購入ならば、言ってしまえば「自分たちが気に入ったなら何でもOK」なんですが、
やはり人生何があるかは分からないので、将来的なリセール性は加味しておきたいところ。

そこで今回は、こういう物件は将来売るとき手こずるかも?という項目を8つ解説します。

ただし、項目に該当していたら買ってはいけないということでは全くありません!

自分のとって100点の物件はありませんし、失敗したくない一心から細部が気になりすぎて機を逃してしまってはかえって損をします。

資産形成や長い目での人生設計を考えるうえで、不動産の出口戦略の一助になれば幸いです。

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■注意したい8項目

駐車場がない、足りていない

カーシェアの普及もあり自家用車の保有率は低下してきていますが、それでも郊外など車がないと生活が不便な地域では、駐車場の数が足りないマンションは大きなマイナスポイントです。

戸数に対して駐車場が少ないマンションでは、駐車場の利用状況によっては近隣の月極駐車場を探さないといけません。
仮に歩いて1分の場所に月極駐車場があったとしても、マンション敷地内にあるのとでは便利さも精神的ハードルも雲泥の差でしょう。

こうしたマンションは売却時、車を持つファミリーからは敬遠されがちですし、郊外の物件のお問合せでは第一声で駐車場の空き状況を確認されることも多いです。

一方で例えば東京の都心ど真ん中のマンションで、駅まで5分、カーシェアもたくさんあるなど、車を所有しなくても余裕で生活できる立地であれば駐車場のことはほとんど考えなくて大丈夫です。

実際、近年の都心部の新築マンションでは、戸数に対して駐車場の数を大幅に少なくするのが普通になっていますし、それでもなお駐車場の空きが出るような状況です。

電気温水器

昭和築のマンションでたまに見かけるのが電気給湯器です。

電気温水器はガス給湯器に比べてランニングコストが高い傾向があり、古い電気温水器と新しいガス給湯器では毎月の電気代が1.5倍以上なんてこともあるようです。

そこでガス給湯器への交換を検討するわけですが、電気からガスへの変更は給湯機本体を交換するだけでなくガス用の配管工事が必要で、かつ配管はだいたい床下を通っているため工事が大掛かりになり、結局交換するだけで数十万円かかるということもあります。

その分の値下げ交渉や大規模工事が嫌で購入自体を見送られる可能性があります。

カーペットの部屋がある

この場合のカーペットとは、フローリングなどの上に敷くカーペットと違い、床躯体に直接貼り付けて施工する敷き込みカーペットです。
そのようなカーペットは強力に糊付けされているので自力で剥がすのは困難です。

そのため、カーペットの裏側を掃除できなかったり、そもそもダニやハウスダストなどのアレルゲンが発生しやすかったり、一度汚してしまうと汚れを取るのが大変だったりします。

特に築30年程度のマンションでは、分譲当初からカーペット敷きの部屋があったり、稀に管理規約によってカーペットからフローリングへの変更自体を禁止しているマンションもあります

カーペットには足音などの消音効果がある一方で、やはり衛生面での懸念が付き物なので、ハッキリ言うとカーペットは賃貸でも売買でもケチが付きやすいです。

購入検討者はフローリングへの交換を念頭に検討するため、工事費用分の交渉があることは覚悟した方がいいと思います。

総戸数が少ないマンション

何戸をもって戸数が少ないかは難しいところですが、
これまでの経験や感覚をもとにすると、30戸というのがひとつの目安になる感じがあります。

総戸数というのはマンションの購入を考える上でとても重要なポイントで、総戸数が少ないマンションは修繕積立金の負担が重くなる心配があります。

ある程度の築年数が経ったマンションで、管理費や修繕積立金の滞納者が一切いないマンションは実は結構レアです。
金額の多寡はともかく滞納者がいるのが普通です。

当然、回収できていない修繕積立金はその他の住民がカバーする必要があります。

何百世帯というビッグコミュニティであれば、1人の滞納分を残り住戸で割ればその負担はわずかですが、仮に10戸しかない場合、1人が全体の1割に相当するため影響が大きいです。

さらに、台風などの自然災害、その他突発的な修繕が発生した場合、修繕費を少ない人数で捻出しなければならないので、1世帯あたりの負担額が大きくなります。

ましてや滞納や未回収があると、最終的には支払ってくれる人たちだけで管理費や修繕積立金を負担せざるを得なくなるので、そういったリスクが高くなる少戸数マンションは購入検討者を慎重にさせる可能性があります。

エアコン配管の有無

壁掛けエアコンが全部屋に付いている必要はありませんが、エアコンを設置するためのダクト配管があるかどうかは大きなポイントになりえます。

壁掛けエアコンを設置するには、エアコン本体、室外機、その二つを繋ぐための配管が必要です。

今では全部屋にエアコンがあるのが当たり前になっていますが、少し古いマンションではエアコンの設置を前提に設計されていない部屋もあります。

例えば室外機が設置されることが多いベランダから最も離れた部屋にエアコンを設置しようとすると、ダクトを通すだけでも壁や床を剥がす大工事が必要になることがあります。

また、室内のダクトをベランダなどに出すために空いている壁の穴は、複数の新設したダクトを通すのに十分な口径がないかもしれません。

そうなると穴を拡張する必要も出てくるのですが、穴はマンションのコンクリート躯体をくり抜いて開けられているため、マンションの管理組合が穴の拡張に反対する可能性もあります。

このようなことを考えると、エアコン本体の有無はともかく、設置するためのルートが確保されていない物件というのは手間もお金もかかるため、価格交渉の前にそもそも検討してもらえない可能性もあります。

忌避施設

一般的に忌避施設(嫌悪施設)と呼ばれるのは、墓地、工場、ゴミ焼却施設、一部の宗教施設等の、日常生活の快適さや治安に影響を及ぼしかねない施設の事です。

音や振動や臭いが発生する工場やゴミ焼却施設などは体感が伴うこともあり分かりやすいでしょう。

墓地は建物が建つ心配がほとんどなく景観や日照が約束されているという大きなメリットがありますが、お化け文化が浸透している日本では、部屋から墓地が見えてしまうことを気味悪がる人は多いです。

また、宗教法人の施設はそれだけで悪影響を及ぼすことはほとんどないと思いますが、一部の宗教では朝晩のお祈りに合わせて小さくない音が出てしまうこともあり、自分たちの生活サイクルに合わなければ大きなストレスになることも考えられます。

マンションの購入を考える人の多くは、同居する家族がいます。

奥さんや子供、親の事を考えると、上記のような快適さを損ねる可能性のある施設が近くにある物件はどうしても後回しにされがちです。

何を気にするかは個人差がありますが、自分たちが気にならなくても他の大多数が気にする施設が生活に影響を及ぼす範囲内にあるのであれば、その影響度を慎重に検討する必要があります。

自主管理マンション

世の多くのマンションは、その管理を管理会社へ委託していますが、管理費の節約などの目的から、管理組合(住民達)による自主管理の形態をとっているマンションもあります。

自主管理のマンションでは共用部の清掃、美観の維持、修繕などのマンションの運営を全て住民達で考え、担当を割り振って実行しなければならず、手間もかかることからどうしても管理がずさんになりやすい傾向があります。

また、長期的な修繕費の見積もりやそれに合わせた修繕積立金の値上げ計画などは、ノウハウがなければ適切に策定することが難しく、住宅ローンの審査でほぼ必須と言っても過言ではない長期修繕計画書がないマンションも少なくありません

詳しくは以下の記事でも解説していますが、自主管理マンションの購入はどうしても慎重に考えないといけません。

修繕積立金が不十分

積立金がほとんどなかったり、近い将来枯渇してしまう可能性があるマンションでは、外壁のひび割れや屋上防水の劣化が放置されていることが多く、マンションの資産価値保存の面で大きなリスクがあります。

修繕積立金が足りないということは、次回大規模修繕時や突発的な修繕が発生した時に、各住戸から一時金として数十万円単位のまとまった額を徴収することになるかもしれません。

将来的に枯渇することが明らかな場合も同様に、近い将来一時金を徴収することになるか、大幅な修繕積立金改定があるかもしれません。

修繕積立金は築年数を追うごとに徐々に値上がりしていくのが普通ですが、値上げを数年ごと短いスパンで段階的に行うか、十年以上改定せずに一気に上げるかは長期修繕計画を基にして管理組合が決めます。

長い間修繕積立金の値上げが行われていないようであれば、近い将来に修繕積立金が一気に倍近くに上がる、ということも考えられます。

いずれにしても購入前にマンションの「重要事項調査報告書」や長期修繕計画書を確認してもらい、十分な修繕積立金が積み立てられていることと、今後の修繕積立金の値上げ見込みがどの程度なのかは確認が必要です。

■既にそういう物件を買っていたら

もう既にそういう物件を買っている、という方も、工夫次第でリセール性を高めることはできます。

時間はかかりますが、管理組合内に働きかけ、管理会社を導入して管理状態を改善したり、長期修繕計画を作成することはとても有効です。

周辺環境を変えることは難しいですが、室内に限れば、自分たち用のリフォームをするついでにカーペットをフローリングに変えたり、エアコン配管だけでも敷設したりなど、改善できる点は結構あります。

しかし一方で、こちらの記事でも紹介するように、売却するためだけに多額の費用をかけてリフォームするのかという問題については慎重に考えないといけません。

やはり不動産会社などの専門家に相談し、物件の魅力を最大限に引き出すためのアドバイスをもらうようにするのが良いでしょう。

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