建売住宅のデメリット|注文住宅との比較

売る/買う
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「建売」と聞いて、ネガティブなイメージを持つ方は珍しくありません。

確かにせっかく「憧れのマイホーム」を手に入れるなら細部まで拘った注文住宅を、と思う気持ちも分かります。

そこで今回は、建売住宅のデメリットとメリットを整理し、資産性などの面を注文住宅と比較してみました。

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■デメリット

・同じ見た目の建物が並ぶ

複数棟の分譲戸建ての多くの場合は、外壁の色やテイストがほぼ同じになっていることが多く、よく言えば統一感がありますが、悪く言えばオリジナリティはなくなります。

敷地内に道路を新設するような大規模分譲戸建てでは、植栽を植えたり道路をインターロッキングにするなどして綺麗な街並みが生まれることも”売り”の一つですが、お客様の中には同じような外観の家が建ち並んでいる「建売感」を嫌う方もいるので、好みが分かれる部分と言えます。

・好みの内装にできない

建築初期段階の新築戸建てで、使用する設備や壁紙等をまだ発注していない段階に契約すれば、壁紙を変えるなど多少の仕様変更の相談ができることもありますが、できないことの方が圧倒的に多いと思ってください。

また、売主業者からしても仕様変更のためにアレコレ打合せをするのは正直「面倒くさい」というのがホンネなので、もしもどうしても気に入らない部分があるようなら、引き渡し後に別途追加工事で改良することになります。

・完璧にマッチする間取りはない

新築戸建ての間取りは基本的に、トレンドを取り入れつつ居住空間ができるだけ広くなるように効率的な設計で建てられています。

収納やコンセントがここに欲しい、こっちの部屋を少し狭くして別の部屋をもっと広くしたい、などという個々の好みや住み方に完璧に合っている物件が見つかることはほぼないでしょう。

注文住宅でも後になってこうしておけば良かったという反省は付きものですが、建売では最初からある程度割り切った考え方をしておいた方が物件を見つけやすくなると思います。

■メリット

・金額が確定している

土地を購入して注文住宅を建てるときの大まかな流れは、
①気になる土地を見つけたら参考プランと概算見積もりを取る。
②土地込みの資金計画を作成し、住宅ローンの借入見込み額を計算する。
③土地の売買契約、住宅ローンの本審査と金消契約(ローン上限額が確定)、土地の引き渡し。
④土地の契約後から土地引き渡し以降までハウスメーカーの選定と設計の打ち合わせが続く
⑤着工

このようになっているため、銀行との金消契約=住宅ローンの借入上限確定までに建物の見積もりが確定していることはほぼありません
詳細な流れはこちら

一方で、こだわりを詰め込んだ最終的な見積もりは、打ち合わせを始めた当初の見積もりよりもいくらか高くなっているものです。

仲介業者もそれを見越して住宅ローンの申し込み額を多少大めに申請しておくように勧めますが、それでも足が出た場合は自己資金で補う必要が出てくるため、予算の管理に気を配らないといけません。

その点建売戸建ては既に金額が確定していて予算が増減することがないので、先々の予算的な見通しが立てやすく、金銭的な不安要素が少ないと言えます。

・手間が圧倒的に少ない

一般的に設計や仕様の選択などの打ち合わせには、早くて2ヶ月、長い場合は半年以上時間をかけることもあり、注文住宅は「面倒くさい」から建売か中古戸建がいい、という方はとても多いです。

特に打ち合わせを始めた当初は、毎週末のように担当者と打ち合わせをしたりショールームを見学に行ったりするので、それも含めて楽しいと思えれば良いのですが、そうでないと「大変」が先に来る方もいます。

その点建売住宅は、今までと変わらない生活を送りながら、引き渡しが終われば自動的に引っ越しができるようになるため、時間的にも精神的にも負担が少なくて済みます。

・注文住宅よりも割安なことが多い

例えば市場価値3,000万円の土地に戸建てを建てるとき、注文住宅では建築費2,500万円で合計5,500万円のところ、建売業者は土地を2,500万円で仕入れ、建築費1,800万円に利益を乗せて合計5,000万円の新築戸建てとして販売する、というようなことができます。

多くの建売業者は自社の商品をシリーズ化し、Aの現場でもBの現場でも同じ壁紙、建具、設備を使用できるように仕様を均一化することで、人件費や材料費などのコストカットを実現しています。

特に年間何百と住宅を供給している「パワービルダー」と呼ばれる建売業者では、資材を大量発注したり、お抱えの工務店や施工業者に年間を通して仕事を大量発注できるので、建築コストを大きく下げることができるようになっています。

・建築中のトラブルとは無縁

建築中には大なり小なりトラブルが発生することが少なくありません。

意外かもしれませんが、建築が進むにしたがって設計通りに施工できない箇所が出てきたり、棚板を取り付ける高さなどを現場で確認、指示してほしいなど、机上では見えない現場レベルでのやり取りが発生します。

また、トラブルやクレームには現場を管理する監督さんが対応してくれますが、事と内容によっては最終的に施主であるお客様まで話が下りてくることもあります。

一方で建売住宅の場合、施主は売主である建売業者なので、買主であるあなたがそれら現場との煩わしいやり取りすることは一切ありません。

全て完成してから引き渡しを受けるだけです。

■項目別比較

はいくつか項目に分けて建売と注文住宅を比較してみます。

①リセール性

・短期的な売却であれば注文住宅有利か
・築年数が経過すれば差がなくなる
・ウケない間取りの注文住宅は建売に劣る

不動産の広告で『~施工の注文住宅』などというキャチコピーを見ることも多いように、建物が注文住宅であることは、こだわりのある家、高級な家、安心な家、という印象を与えることから、売却時に有利に働くこともあります。

また、建売で導入されることがまずない全館空調や居室床暖房などの設備を導入していれば、建売住宅との差別化が図れるという点でも、注文住宅は有利と言えます。

しかし一方で、年月が経てば建物は劣化し設備は型遅れになっていくことから、築年数が15年20年と経過した注文住宅は建売住宅との差別化が難しくなってきます。

また注文住宅がゆえに、強いこだわりが反映された『一般ウケしない間取り』になってしまっていると、いくら建物の価値が設備の価値がと言ったところで買主は見つかりにくいでしょう。

②満足度

一般論として「一戸建てを買う」と「一戸建てを建てる」とでは、やはり家への思い入れの強さ、愛着の強さが違うように思います。

時間をかけて設計したマイホームに人を招いて自慢したくなる人も少なくないでしょう。

また、自分達用に設計されていて、かゆいところに手が届く家に住んでいる快適さや、日常生活で感じる充足感は、お金に代えられない価値があるように思います。

そのような面での満足度は注文住宅に軍配が上がるでしょう。

③中長期的な資産性

建物は減価償却によって年々価値が目減りしていきます。

建築費用に2,000万円かけても3,000万円かけても、木造では約20年でどのみち価値がほぼ無い物として見られるようになります。

最終的に残る資産は土地になってくるので、20年30年の中長期的な資産形成の観点では『建物にお金をかけない建売を、好立地で買う』というのが正解かもしれません。

好立地の建売と僻地の注文住宅では、好立地の建売の方が資産性が高いというのが、大方の不動産屋の見方かと思います。

④費用面

同じ立地でマイホームを購入する場合は、メーカーや仕様にもよりますが、建売戸建ての方が総額面で有利なケースが多いと思います。

建売で予算を節約できた分で憧れの家具や家電を買うという考え方もできるので、予算と満足とを天秤にかけて選ぶと良いでしょう。

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