【コスパ最強】費用が上がっても準耐火建築にすべき理由とは

ノウハウ・豆知識
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一戸建てには、耐火建築、準耐火建築、省令準耐火建築、非耐火建築などの種類があります。

防火指定がされていない地域の2階建ての戸建ては、建築コストの観点からも非耐火建築になっていることが多いです。

しかし法令の改定などもあり、建築費用が上がっても準耐火建築にした方が、ランニングコストを下げたり、資産価値を向上させられる可能性が高くなりました

今回は準耐火建築にすることによって得られる恩恵について解説していきます。

防火と耐火は似ていますが違うものなので混同しないようにしましょう。

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■3種類の構造を簡単に紹介

①M構造(ンションのM

鉄筋コンクリート造の共同住宅で、耐火性能が高い建物です。

②T構造(火のT

1. 共同住宅で耐火建築物ではないもの
2. 一戸建てで柱がコンクリート、レンガ、石、鉄骨で造られているもの
3. 一戸建てで耐火建築物、準耐火建築物、省令準耐火建物に該当するもの

が該当し、最低でも45分間は燃えない耐火構造を有した建物です。

③H構造(耐火のH

土倉建物や、耐火性能を持っていない一般的な木造戸建てです。

建築コストが安いこともあり、防火指定のない地域の戸建てにはこれが多いです。

■準耐火建築のメリットとデメリット

・デメリット

①建築コストが高くなる

防火指定のない地域で一般的な木造(H構造)を建てる場合と、準耐火建築(T構造)を建築する場合の差額は、1坪あたり約5,000円~7,000円ほどです。

延床面積30坪の建物であればコストが+20万円程度上乗せされる計算です。

また、準防火地域の基準に合わせて建てられる木造2階建ての場合は、準耐火建築にアップグレードすることでコストが数万円程度高くなります。
※準防火地域で木造3階建てを建てる場合は、標準で準耐火建築にすることが義務付けられています。

②設計の自由度が下がる可能性がある

準耐火建築にするためには、一般的なボードよりも3mm厚い12.5mmボードや多くの断熱材を使う必要があります。

そのため構造的な観点から、設計の自由度はどうしても下がる傾向にあるので、突き詰めた設計をしていくと”できるできない問題”が発生する可能性があります。

・メリット①建ぺい率の緩和が受けられる

従来は「防火地域内の耐火建築」のみが建ぺい率を10%緩和できることになっていましたが、2019年に建築基準法が改定され、
準防火地域内の準耐火・耐火建築」でも10%の緩和を受けられるようになりました

例えば2階建てを建てる前提で100㎡の土地(60%/150%)を買った場合、緩和により70%/150%になることで、1階あたりの床面積は10㎡(6帖!)も増加するわけですから、この改定のインパクトは相当大きいです。

前述の通りたった数万円の費用アップだけで準耐火建築にアップグレードでき、建ぺい率の緩和が受けられるのであれば、準耐火構造にしない手はありません

なお、準防火地域に建てられる3階建ては、もとから準耐火建築にすることが義務付けられているので、実質自動的に土地のポテンシャル(価値)が上がったということになります。

・メリット②火災保険料が安くなる

H構造の戸建てからT構造(準耐火建築や省令準耐火)にアップグレードするための費用は、一般的な大きさの戸建てでは20万円程度です。

一方、H構造とT構造の火災保険料では、T構造の方がなんと10万円程度安くなります(10年長期契約)

また、2022年10月に実施された火災保険料の大幅改定でも、T構造は値上がり幅が小さく、優遇されていることが分かります。

追記:火災保険の改定によりこれまでの10年契約は廃止され、5年が最長になりました。

20年住むとすれば約20万円の差が出る計算なので、建築費用が上がった分をペイできてしまいます。

もちろんH構造よりも燃えにくいので、火災時の安全を実質タダで買うことができて、準防火地域なら建ぺい率まで買えてしまうわけですから、非常にコスパのよいアップグレードと言えるでしょう。

省令準耐火と準耐火建築

準耐火建築に準ずる耐火構造という位置づけで、省令準耐火というものがあります。

どちらもT構造に分類されますが、
耐火建築や準耐火は建築基準法で定められたものなのに対して、省令準耐火は住宅金融支援機構(フラット35)の基準で決められているものです。

フラット35が利用できる新築戸建てはほとんどが省令準耐火以上の構造ですし、2×4(ツーバイフォー)の家も省令準耐火に該当する可能性が高いです。

省令準耐火はT構造に分類されるため火災保険料が安くなりますが、建築基準法上の準耐火構造ではないため、建ぺい率の緩和は受けられません。

■まとめ

建築基準法の改定もあり、準耐火建築は非常に優遇されています。

建築コストは上がってもそれを補って余りあるほどのメリットがあるので、基本的には準耐火構造にすることをお勧めします。

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